憧れの田舎暮らしをはじめてみて、その理想と現実のギャップに悩む方は少なくありません。きちんと準備をしない、情報収集を怠ってしまうと失敗につながりやすいのです。これからくつかの田舎暮らし失敗談を紹介しますので、参考にしてみてください。

長野県に移住したAさん 29歳

若いうちは失敗を恐れず何でもチャレンジできます。しかし十分な下調べをせずに憧れだけで移住を決めてしまったAさん。その失敗談を紹介します。

仕事を探さずに行った

テレビで見た田舎暮らしの特集に憧れて移住を決意したAさん。自分は若いし現地に行ってもすぐに仕事がみつかるだろうと高をくくっていたAさん。ところが実際に移住してみると仕事が思うように見つかりません。

しかも移住先にはハローワークもないのです。以前勤めていた会社の失業保険を受給して何度か食いつないでいたもののアルバイト先もなかなかみつからず、しばらくは貯金を取り崩す生活を送ることになりました。

仕事を選んでしまった

Aさんが移住を決めたテレビ番組では、田舎に移住して農産物のネット通販やNPO法人を立ち上げた若者を特集していました。そのため自分も何か田舎でクリエィティブな仕事ができると思ってしまったのだそうです。しかし実際に行ってみると起業の経験も人脈もないAさんが、自らビジネスを立ち上げることが難しいと実感したそうです。

島根県に移住したBさん 35歳

ぜんそくの子供を持つBさん。子供の教育環境と都会でのストレスの多い生活に嫌気が指して移住を決断しました。

虫嫌いの奥様のストレスがピークに

都会ではマンション暮らしでしたが田舎では広々とした一軒家での生活をスタートさせることができました。ところが移住生活が始まってから害虫を家の至ところで見かけるようになったのです。都会生まれで都会育ちの奥様は害虫が大嫌い。都会で暮らしていた時も害虫駆除グッズをフル活用していたため、家に害虫はほとんど見かけなかったそうです。

ところが田舎は害虫の数も比ではありません。駆除しても駆除しても次々と害虫が沸いてくる始末です。害虫を見かける度に奥様のストレスはたまっていく一方でした。

詳しくはこちらの記事をどうぞ → 都会とは違う田舎暮らしの試練〜家編〜

プライベートがなくなった

都会暮らしのときは近所付き合いもほとんどしませんでした。ところが田舎は隣近所との付き合いが密。

休日に家族で出かけたところ、そのことを近所の奥様が知っていたことに驚いたそうです。

どうやら近所の奥様の友達がBさん家族を出先で見かけたらしく、それが近所の奥様にも伝わったのだそうです。どこに行っても誰かに見られているのだと思うとBさん家族は出かけることさえもおっくうに感じるようになりました。

大分県に移住したCさん 65歳

念願だった田舎暮らしを実現するために定年退職後に奥様と移住をしたCさん。しかし移住先での生活は理想とは程遠いものでした。

憧れの古民家は欠陥住宅だった

田舎暮らしをするなら古民家に住みたいと考えていたCさん夫婦。田舎暮らしをするにあたりいくつか物件を見て、古民家を購入することに決めました。引っ越ししたばかりのころ、古民家は風情があって素敵だと思っていたのですが、実際に住んでみたら大変だったのです。

隙間風は多く暖房費用がかさみます、おまけに小さい地震がきただけでもかなりミシミシと揺れてしまうため、大きな地震が着たらと考えると怖いのです。古い住宅ですからそれなりに耐震補強や改修工事をする必要があったのですが、そのあたりをよく調べずに憧れだけで購入してしまいました。

快適な住まいにするためにはそれなりに費用もかかりそうで、改修工事をするかどうか悩んでいます。

慣れないことをしたら持病の腰痛が悪化

田舎暮らしをするなら農業をやりたいと考えていたCさん夫婦。ところが思っていた以上に農業は重労働であり、腰や肩に痛みを伴うようになりました。現役時代はほとんど運動をしてこなかったCさんですから、いきなり体を動かすようなことをしてしまって持病の腰痛を悪化させてしまったのです。

しかも病院や接骨院に通おうと思っても家の近くにないため、自分で運転していくしかありません。奥様は運転ができないのでもっぱら運転はCさん担当。
腰痛持ちにとって、車の運転もかなり苦痛です。体を鍛えておかなかったこと、生活利便性や病院の有無などもよく調べてから移住先を決めればよかったと後悔しています。